ご存知でしたでしょうか?
『フレイル』
近年、高齢者は健常な状態から要介護状態になるまでに、
「フレイル」という中間的な段階を経ていると考えられるようになりました。
フレイルの状態や兆候を知っておくことで、
その後の身体的・精神心理的・社会的に不健康になることを
予測し予防しやすくなります。
具体的には、加齢に伴い筋力が衰え、疲れやすくなり家に閉じこもりがちになるなど、
年齢を重ねたことで生じやすい衰え全般を指しています。
脳疾患などの疾病や転倒などの事故により、
健常な状態から突然要介護状態に移行することもありますが、
高齢者の多くの場合、フレイルの時期を経て、
徐々に要介護状態に陥ると考えられています。
フレイルは身体的問題のみならず、
認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、
独居や経済的困窮などの社会的問題が含まれる多面的な概念です。
高齢者は、フレイルの時期に心身および社会性など広い範囲で
ダメージを受けたときに回復できる力が弱くなり、
環境や外敵からのストレスに対しても抵抗力が弱くなります。
しかし、適切に支援をうけることで健常な状態に戻ることができる時期ともされいます。
早期発見・早期支援で、多くの高齢者の生活機能の維持・向上を目指して、
日本老年医学会が2014年に「フレイル」という概念を提唱され普及に努めております。
ただし、世界的な医学の世界でも、フレイルの病態生理や、早期発見のための指標、
適切な支援のしかたなど、はっきりと確立していない部分も多いのが現状です。
日本の医療上の診断基準もしっかりと確立されているとはいえず、
実証と定義の確立を続けている途上の様です。