リハビリ=機能訓練ではありません
リハビリテーションを略して“リハビリ”と言います。
病院で行われている機能訓練の光景を思い浮かべる方も多いと思います。
しかし、人間は何のために物を持ったり、歩いたりするのでしょう。
そこには必ず、箸を持って食事をする、トイレに行って用をたす、さらには包丁を持って料理をする、
スーパーに行って買い物をする、そして趣味や仕事にうちこむという目的があるはずです。
すなわち基本的な日常生活動作、さらには広い意味での社会生活を営むために物を持ったり歩いたり
するわけです。
リハビリテーションとは単に訓練をさす言葉ではなく、障害をもった方が、可能な限りもとの社会生活を
とりもどすことを意味します。
それには障害自体が軽減するように機能訓練を行う必要もありますが、それ以上に本人が生活の中で
積極的に体を使うことが重要です。
さらには体の不自由が残っても安心して生活ができるような社会を実現することが必要です。
病院のリハビリテーション科では、リハビリテーション専門医が診察を行い、 理学療法士、作業療法士、
言語聴覚士、義肢装具士、医療ソーシャルワーカー(医療相談部)などの各専門職に指示を出します。
各専門職は指示に基づき障害度を評価し訓練などを行っていきます。
リハビリテーション医療は多くの専門職によるチーム医療であり、チーム医療において
ケースカンファレンス(検討会)は欠かせないもになります。
患者様やご家族を含め、医師、看護師、各療法士の意思統一とゴール設定を行っていき、患者様が
もとの社会生活を取り戻されるよう全力を尽くしていきます。
また、高齢化社会の到来と地域ケアのニーズの増大に対応し、退院前訪問指導を実施するなどして
住居改善のアドバイスを行ったり、市町村の保健師と連絡をとりあうなどして、地域連携の役割を
果たしたりして、環境作りをしております。