次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムについて、
両者を同じものと考えている人もいるでしょう。
よく似た2つの名前のものですが、
共通点はあるものの、性質が異なるものです。
次亜塩素酸水は、塩酸や食塩水を電気分解して作る水溶液です。
次亜塩素酸水には、殺菌成分の「次亜塩素酸」が含まれており、
これまで食品の消毒や物品の除菌などに用いられています。
一方、次亜塩素酸ナトリウム液は、塩素系殺菌剤のひとつです。
家庭でも日常的に使われており、ハイターやカビキラーなど
おなじみの製品のことを指します。
次亜塩素ナトリウムにも、殺菌成分である次亜塩素酸が含まれています。
次亜塩素水と次亜塩素酸ナトリウムは、
ともに同じ殺菌成分を含むことが共通しています。
厚生労働省の資料でも、インフルエンザやノロウイルスなど
同じような菌・ウイルスに対して効果があることが実証されていますが、
今回の新型コロナウイルスにおいては、
次亜塩素酸水はまだ検証中の段階でございます。
次亜塩素酸ナトリウムではなく次亜塩素酸水を使うメリットは、
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリムは、同じ殺菌成分を含みます。
しかしながら、両者の性質は異なるため、扱いやすさに差があります。
次亜塩素酸ナトリウムの代わりに次亜塩素酸水を使うメリットには、
メリット① 希釈の必要がない
次亜塩素酸ナトリウムは薄めて使う必要がありますが、次亜塩素酸水はそのまま使うことが可能です。
メリット② 手荒れの心配が低い
次亜塩素酸ナトリウムは強いアルカリの性質を持つため、
直接触れると手がやけどのような状態になります。
そのため、次亜塩素酸ナトリウムを使うときには、
手袋をするよう注意書きがなされています。
一方、次亜塩素酸水は肌と同じ弱酸性であるため、
皮膚を傷つける心配がありません。
次亜塩素酸ナトリウムは手の消毒には使えませんが、
次亜塩素酸水は可能です。
メリット③ 消毒後に水拭きの必要がない
次亜塩素酸ナトリウムで物品の除菌をした後は、
その後水洗いや水拭きをする必要があります。
次亜塩素酸ナトリウムは、金属など腐食させる作用があるため、
付着した部分をダメにしてしまう可能性が高いからです。
一方、次亜塩素酸水は汚れと接触すると、水に変化する性質を持ちます。
そのため、消毒や除菌後は、二度洗いや二度拭きの手間がかかりません。
メリット④ 事故のリスクが低い
家庭で消毒剤や除菌剤を常備しているときに注意したいのが事故です。
次亜塩素酸ナトリウムは、酸性タイプのクリーナーや酢など
酸性製剤と混ぜると化学反応が起こり有毒ガスを発生します。
そのほかにも、小さいお子様が誤って飲んでしまう誤飲事故も報告されています。
家庭で次亜塩素酸ナトリウムを保存するときは、細心の注意が必要です。
次亜塩素酸水は弱酸性であるため、保存に関してそれほど神経を尖らせる必要はありません。
仮に次亜塩素酸水を飲み込んでしまっても、心配はありません。
食品添加物としても広く使われているため安心して使用することができます。
メリット⑤ 使い方にバリエーションがある
物品の除菌や漂白に使われる次亜塩素酸ナトリウムは、
ひたしたり、拭き掃除に使ったりします。
次亜塩素酸水は用途が幅広く、拭き掃除以外にもさまざまな使い方が可能です。
ペットの消臭を目的に手足や毛などに直接噴射する方法もあります。
また、超音波式の加湿器にセットして、空間の消臭や除菌効果にも使えます。
ちなみに、次亜塩素酸ナトリウムは、
皮膚や粘膜に害があるので、このような使い方はできません。
ちょっと難しかったと思いますが、ご理解いただけましたでしょうか?
ご不明な点は、遠慮なくお問合せくださいませ。